読み物
上手な断り方、角が立たない伝え方
誘いや頼みごとを、断れずに引き受けてしまった。あとで、気が重くなる。そんな経験がある人は、少なくないでしょう。
断ることは、相手を拒絶することではありません。自分の時間や気持ちを守りながら、相手との関係も大切にする。そのための、断り方のコツをまとめます。
断る前に、考えておくこと
1. 本当にしたいかどうか
引き受けたくなかったのか、時間がないのか、気が進まないのか。まず、自分の気持ちを確かめます。自分の気持ちが分かれば、断るときの言葉も選びやすくなります。
2. 返事を急がない
その場で答えなければ、と焦る必要はありません。
- 「少し考えさせてね。あとで返事するよ」
- 「予定を確認して、今日中に連絡するね」
時間をおくと、気持ちが落ち着き、断る理由も整理できます。
角が立たない、断り方の型
基本の型は、「感謝・断る・理由・代わり」の4つです。
- 感謝:「誘ってくれて、ありがとう」
- 断る:「今回は、行けそうにないんだ」
- 理由:「その日は、前から予定が入っていて」(短く、具体的すぎなくてよい)
- 代わり:「来月なら大丈夫そう。また誘ってね」
「誘ってくれて、ありがとう。今回は、その日が予定でうまっていて行けないんだ。来月なら大丈夫そうだから、また声をかけてね」
場面別の言い方
友だちの誘い
- 「ありがとう、うれしい。でも今日は、ちょっと疲れていて。またゆっくり会おうね」
職場の頼みごと
- 「お声がけありがとうございます。今は手がいっぱいで、お引き受けするのが難しい状況です。来週なら、一部お手伝いできそうです」
買いもの・勧誘
- 「ありがとうございます。今回は、見送りますね」
理由を長く話すほど、相手に反論の余地が生まれます。短く、はっきりが基本です。
避けたい断り方
- あいまいな返事:「行けたら行く」は、相手を待たせて、お互いに疲れる
- うその理由:あとで困ることがある。ほんとうのことを、ぼかして言うほうがよい
- 長すぎる言い訳:気持ちが伝わりにくくなる
- 返事をしない:相手が次の予定を立てられず、いちばん困る
断りにくい相手には
上司や、年上の人、長い付き合いの友だち。断りにくい相手ほど、「できない」より「こうならできる」の形で伝えると、角が立ちにくくなります。
- 「今週は難しいですが、来週の水曜なら対応できます」
- 「全部は難しいけれど、この部分なら手伝えるよ」
- 「今日は行けないけれど、来月の集まりには行きたいな」
全部を引き受けるか、全部を断るか、の二択ではありません。できる範囲を伝えることも、立派な答えです。
断られた側になったとき
自分が断られたときも、相手の事情があると考えて、「教えてくれてありがとう」と受けとめられると、お互いに気持ちのよい関係が続きます。断られたことを、自分への否定と受けとめなくて大丈夫です。
断る練習は、小さなことから
いきなり、大きな頼みごとを断るのは、むずかしいものです。まずは、小さな場面で練習してみてください。
- お店で、「おすすめの商品はいかがですか」と聞かれたとき:「今日は大丈夫です」
- ちょっとした誘いに、「今回は見送るね」
- 「やっておいて」と軽く頼まれたとき:「今は手がいっぱいなんだ。ごめんね」
小さな「いいえ」を、何度か言えるようになると、大きな場面でも、少しずつ言いやすくなります。
断ったあとの気持ち
断ったあとに、「悪いことをした」と、気持ちが沈むことがあります。でも、断ることは、悪いことではありません。
- 相手は、案外気にしていないことが多い
- 断れる人のほうが、引き受けたときに、お互いが気持ちよく過ごせる
- 断ったことで、あなたが無理なく、いい状態でいられる
「断る」と「関係を断つ」は、別のことです。
練習のしかた
断る練習は、人に向かって言う前に、声に出して試してみると、気持ちが楽になります。ヒナタのような話し相手のアプリに、「誘いを断る場面」を話して、言い方を試してみるのも1つの方法です。何度でも、やり直せます。
